私は台湾でマツコの知らない世界を毎回楽しみに見ているのですが、バナナを取り上げた回で沖縄の芭蕉が出てきて、去年ご近所の方からいただいた台湾のおいしい芭蕉のことを思い出しました。

番組を見て急に、
「芭蕉ってどこで売っているんだろう?また食べたい!」
と思い、探してみることに。
芭蕉とは?バナナとの違い

普通のバナナよりやや小ぶり
そもそも芭蕉についてよく知らなかったので、ちょっと調べてみました。
芭蕉の中国語の発音はこちら。
芭蕉 :芭蕉
バー ジァオ
品種
芭蕉もバナナもバショウ科バショウ属の大型多年草で、芭蕉はバナナの一種だそうです。
台湾では芭蕉と呼ばれていますが、正式には「南華蕉」という品種だそうです。
栽培地
台湾では南投県の埔里鎮・集集鎮の山間部で比較的多く栽培されています。
環境への適応能力や害虫にも強く普通のバナナよりも栽培しやすい品種だそうです。
収穫期
芭蕉はバナナと同じで、暖かいほど実るのが早くなります。
そのため、秋~春(10月~4月)は実るスピードが遅くなりますが、1年中採れるそうです。
栄養
栄養的にもバtおナナほぼ同じで、 大きな違いはなく、ビタミンB6、ビタミンC、カリウムやマグネシウムを豊富に含んでいます。
カリウムは血圧上昇の防止するので 高血圧や脳梗塞、動脈硬化の予防が期待できます。
栄養面で違う点は、芭蕉は普通のバナナよりもより多くのビタミンAや食物繊維を含んでいるということだそうです。
味・食感・香り
熟したバナナは香り豊かで甘くやわらかな食感ですが、芭蕉は熟してもそれほど香りはせず、少し酸味があってさっぱりしていますし、食感はもちもちしています。
ちなみにタイでは追熟前のまだ青いものを料理して食べたりもする、とありました。
なぜあまり売られていないのか?
どこで売っているかについても調べてみると、「限定された市場のみで売られている」とありました。

風害の被害に遭いやすい
調べてみると、育てやすいけど1つ欠点があって、芭蕉は木が高く育つため風害の被害に遭いやすいようです。
それに比べ普通のバナナは木が低く被害は受けにくい、とありました。
需要が小さい
近所の台湾人のおじいちゃんにその疑問について尋ねたところ、「台湾人は芭蕉の味をあまり好まないんだ!」とのことでした。
えっ、台湾で私が初めて食べた芭蕉はとってもおいしかったのに⁉芭蕉をくれたあのおばあちゃんは、実はあまり好きじゃないからくれたのかな?なんて思ってしまいました。
そこで私が思ったのは、「芭蕉がおいしくないんじゃなくって、台湾にはほかにもおいしい品種のバナナがたくさんあるから、大多数の台湾人はそっちの方が好みなんだろうな~」ということでした。
実際、他のバナナは芭蕉と比べ市場の需要が大きく生産量も多いです。
市場に出回っているバナナは鮮度を保つためまだ実が青いうちから収穫しますが、芭蕉は通常、黄色く熟してから収穫して食べるそうです。
ついに芭蕉を発見!
それからというもの、スーパーや市場に行くたびに、「芭蕉ないかな~」と探すようになりました。例のテレビを見て何か月もたってから、ついに芭蕉を発見!

何と、よく行く市場の前の路上でおじさんが売っていました!
「山蕉」というバナナと芭蕉が数房ずつありました。
お値段は、いたるところで売られているこの「山蕉」というバナナと同じで、特に高くはありませんでした。日本円で1房300円以内で買えました。

こちらは10月17日に朝市に行って来た時に路上で買ったものです。
まだ青々としていて、今日の朝採ってきたばかりみたいです。全部で15本ありました。

1本量ってみると118gあります。
何も知らない私は、「さっそく1本!」と思って向いてみると皮が固すぎで向けません!

熟さないと食べられないんだ!ということが分かったので、食卓に置きっぱなしにして数日様子を見ることに。
なぜ青い状態で売られてるの?
理由①:芭蕉はちょっと黄色くなっただけでも皮に黒ずみが入り、見た目が悪くなって売れないから。
本当は黒ずみが入って「ちょっと痛んでない」ぐらいが丁度美味しいんですけどね。
理由②:バナナと同様、販売期間を確保するため。
そのため、実が熟さないうちに収穫して売られています。
ですので、売られている芭蕉が黄色い場合、それは売れずに残っているものということになります。
芭蕉を植えている農家の方々は、自分で食べるものは実が黄色く熟してから収穫するそうです。その方が美味しいからだそうです。
ちなみに、この時期の台中近郊の気候は、日本のちょっと汗ばむ春に近いです。昼はやや熱くなりますが、夕方はとても涼しくなります。朝晩はちょっと冷えます。室内温度はちょうど良くて過ごしやすく、扇風機を使わなくても快適です。
こんな環境でどんな風に変化するか観察してみました。
追記:3月17日、彰化縣の園林にあるスーパーの大潤發(RTマート・ダールンファー)でも発見しました!

時々来るスーパーなのですが、今回初めて見ました。
2日目の朝

朝見てみると気持ち黄色くなったかな?でもまだまだ青くてとても食べられそうにありません。
3日目の朝

1本だけだいぶ黄色くなっていました。でも青い皮のところがまだけっこう残っています。あともう少しの我慢かな?
4日目の朝

次の日の朝、またまたもう1本黄色くなっていました。でも、まだちょっと皮の表面に青い点々みたいのが見えます。あともうちょっとかな、って思ったんですが、つい食べてしまいました。

食べた第一印象は、ものすごくもっちもち!ですごい重厚感です!味はちょっと酸味があってほんのりとした甘みがあります。

手で半分に割ってみるとこんなふうになりました。普通のバナナみたいにぽきっとは割れません。
これはこれでおいしいですが、うーん、まだ甘みが足りない気がします。あと、ちょっともちもちすぎる。
5日目の朝

朝起きてみてみると、何ともう「これはバナナだ!」というぐらい黄色くなっていました。黄色くなる時は一気に色が変わるんですね。だいぶおいしそうになってます。
1本一番熟していそうなものを選んでいただいてみました。

昨日よりもちもち感がいくらか和らぎました。あと酸味が減って甘みが増しました。おいしい!
軽くなっているような気がして量ってみました。ちょっと水分飛んでるみたいです。

6日目の朝

青みが減って皮の黒い部分が増えていました。まさに食べごろって感じです。

もちもち感がいい具合になってます。甘みも申し分ありません。うん、これはもう、デザートです‼
今までの中で食感と味のバランスが一番良かったです。美味しくって一気に何本もいただいちゃいました!
7日目の朝

昨日一気にたくさん食べてしまったので、残りは4本に。黒ずみもだいぶ増えてきました。
でも、皮をむいてみると見た目はほぼ変化なし。味は昨日より甘みがさらに増してます。そしてあまりモチモチしなくなりました。ふつうのバナナにだいぶ近いです。甘めがお好きな方はこのくらいがちょうどだと思います。
8日目の朝

もうだいぶ黒くなりました。ついに最後の1本です。皮がだいぶ黒いのでちょっとグニャグニャになっているかと思ったら、そんなことありません。こんなにきれいでした。

もう、モチモチ感がほぼなくなってます。そしてものすごく甘くなっています!甘すぎっ!っていうくらい甘いです。酸味はほぼ感じられません。
まとめ
どのくらいが食べごろか?について、ネットで調べてみたり台湾人の友人たちから聞いたりしてみたところ、「皮がかなり黒ずんだくらいがちょうどいい、皮が黒くなっても中はグニャグニャしないから」という意見ばかりでしたが、個人的にはそこまでいくとちょっと熟しすぎかなと思います。
やっぱり5日目~6日目、特に6日目が食感・酸味・甘みのバランスが絶妙にとれていて一番美味しかったですね。
上でも書きましたが、市場に出回っているバナナは鮮度を保つため青い状態で収穫されますが、芭蕉は通常、黄色くなってから収穫されるそうです。
私が路上で最初に路上で売られている芭蕉を見た時は色が黄色かったです。それでも、売るために青い状態で収穫されることもあるようです。今回の芭蕉は真っ青でした。
限られた場所でしか売られていないので旅行ではほぼお目にかかれないとは思いますが、もし見かけたら、まだ青いのは黄色くなる前に帰国になっちゃいますので、黄色くなった芭蕉をぜひ買って試してみてください!