純粋に中国語の勉強ため、あるいは正規留学の前段階として語学留学を検討しておられるかもしれません。
語学留学は、正規の留学と比べ入学に必要な書類が少なく、手続きが簡単です。
ノービザ(3ヶ月)でも行けますが、1学期3ヶ月の授業を受ける場合、入国日~入学日までの日数を引くと最後の数週間の授業が受けられなくなる可能性があります。
停留ビザなら最後まで授業を受けられる上(認められれば10日未満の延長)、さらに2学期目も勉強したいと思えば最長で180日まで延長できます。
3学期(9ヶ月)以上、勉強する予定なら、居留ビザに切り替えて居留証(免許証みたいなカード型の身分証。必ず居留ビザから居留証にチェンジ)をもらえます。
ここでは、
「台湾への3ヶ月~半年以上の語学留学を考えているので、ビザのことを知りたい!」
という方のために、下のようなビザ取得の流れについて解説します。
簡単な流れ
- 日本で停留ビザを取得し台湾へ
- 延長申請する(滞在期限が切れる15日前から)
- 居留ビザに切り替え(滞在4ヶ月目~停留期限の8営業日前まで)
- 居留証を申請
停留ビザとは? 居留ビザとは?
停留ビザとは?
台湾の教育部が認めた各大学付属の語学センター(華語中心)※に通うことで発給される、延長が可能な60日または90日の短期ビザです。
民間の語学スクールは対象外です。
正式名称:停留ビザ─中国語学習(ビザ注記コード FR)
※ビザ申請が可能な学校リストは教育部HPを参照。
ビザには、下の2種類あります。
- 割安なシングルビザ(一度出国すると失効)
- マルチビザ(何度も出入国が可)
期限を超えて語学留学を継続する場合、最大で180日(6ヶ月)まで延長できます。
60日の停留ビザは2回(60日+60日)、延長することで180日まで延ばせます。
それに対し、居留ビザは、大学・大学院に6か月以上、正規留学される方向けの長期ビザです。
語学留学は期間に関わらず、まずはこの停留ビザを申請します。
停留期間は、入国した日の翌日から起算します。
停留ビザの使用期限は3ヶ月なので、渡航予定日から3ヶ月以内になってから取得するよう予定を立てましょう。
現地で取得できる?
「ノービザ(90日間)で短期留学のつもりだったけど、やっぱり延長したい」といった場合、1度出国する必要があります。現地で延長することはできません。
渡航前にスケジュールを組み、停留ビザの取得を検討しましょう。
取得する方法
ここでは、だいたいのビザ申請の流れを説明します。
状況により、実際とは手順が前後したり、詳細が多少違ってくると思いますので、参考程度にして頂ければと思います。
step
1入学の申し込み
学校を選んで入学の申し込みをします。
申し込みは、各学校ホームページなどの申請フォームより行います。
あるいは、留学エージェント(留学の手続き全般を代行してくれる代理店)のホームページから行います。
学校によりますが、1学期(3ヶ月)以上の申し込みで、ビザ申請用の入学許可書をいただけると思います。
step
2入学用の必要書類をそろえ提出
入学手続きの案内メールが届きますので、それに従って必要書類をそろえて提出します。
学校により提出する書類がいくらか異なります。
主な必要書類(学校により異なる)
- 残存期限が6ヶ月以上のパスポート(空白ページがあること)のコピー
- 高卒以上の最終学歴証明書(卒業証書ではない。英語表記で。卒業校HPか電話で申請。即日~1週間ほどかかる。発行手数料は300円ほど)のコピー
- 健康証明書(病院での健康診断で発行されるもの・市町村の役場で発行されるものなど。台湾で受ける場合は台湾行政院衛生署の指定病院)
- 残高証明書(財力証明書。英文で発行する。口座開設した支店なら即日。日本の銀行でOK。当日の預入は反映されないので前日までに預金しておく。日本円でいいかドル建てか学校に確認。発行手数料は1,100円ほど)
step
3学校より入学許可書が届く(所要日数の目安:5~7営業日)
学校から入学までのスケジュールの案内と共に、下のような「入学許可書」がメール(または原本が郵送)で送られて来ます。
step
5停留ビザの申請(所要日数の目安:予約~受取まで約2~3週間)
必要書類をそろえ、ビザ申請日の予約をします。
各代表処により必要書類や申請方法がやや異なるので、管轄の代表処ホームページで確認してください。
表:各管轄の代表処と手続き方法
都道府県 | 管轄 | ②ビザの申請 | ||
予約 | 必要書類 | |||
東京都、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、新潟県、山形県、山梨県、長野県 | 台北駐日経済文化代表処(東京) |
月~木は予約なし(毎日80組までの整理券)。金曜日はネット予約。詳細&予約サイトはこちら) | 停留ビザページの五、語学研修査証の申請(中国語学習が目的の方)の項を参照 | |
京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、德島県、香川県、愛媛県、高知県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、愛知県、三重県、滋賀県 | 台北駐大阪経済文化弁事処 各種留学ビザの事前照会のⅣ・ビザ申請までの流れの項を参照 |
メールでの問い合わせ後、約5-7営業日で返信。予約不要。詳細&ビザ申請までの流れはこちら | 停留査証ページの5.語学研修(語学学校) の項を参照 | |
神奈川県、静岡県 | 台北駐日経済文化代表処横浜分処 | (8)【停留/居留】各種留学VISAページの必要書類一覧等を参照
|
||
福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿兒島県、山口県 | 台北駐大阪経済文化弁事処福岡分処 | 語学研修査証の申請(中国語学習が目的の方)ページを参照 | ||
北海道 | 台北駐日経済文化代表処札幌分処 | 査証(ビザ)ページを参照 | ||
沖縄県 | 台北駐日経済文化代表処那覇分処 | 2022/02/10 語学研修生ビザ(特別入境許可) 申請要項を参照 |
本人が管轄の駐日代表処の窓口に直接行って(郵送申請は不可)申請をします。
わたしは横浜で申請しました。窓口での手続き自体は1時間ほどかかりました。
必要書類:
- 残存期限が6ヶ月以上のパスポート(空白ページがあること)とコピー
- ビザ申請書(駐日代表処のHPのビザ申請フォームで記入し、プリントアウトしてパスポートと同じ形式で署名をする。右下バーコードがしっかり印刷されたか要確認。書き方はこちら)
- 6ヶ月以内に撮った証明写真 2枚(3.5cm x4.5cmのパスポートサイズ・背景白。顔の大きさ3.2~3.6センチ。メガネ無し・目耳まゆは髪に隠されずに。裏面に油性ペンで記名)ビザ申請書に貼り付け
- 学校の入学許可書の原本またはコピー(学校からメール添付で届く場合は、メール文のコピーも必要なことも。郵送なら原本を提出。)
- 銀行または郵便局の50万円以上の残高証明書の原本(通帳のコピーは不可。発行機関の印鑑かサインのあるもの。発行日から3ヶ月以内のもの。日本の銀行でOK)
- 学習計画書(駐日代表処のHPよりダウンロード)動機と計画を各200文字~ほどを目安に中国語か英語で書く。通う学校名、出発・到着予定日、週5、毎週15時間以上の学習計画を手書きで記入。計画は学校サイトを参考しながら書くことができる。
- マイナンバー表面のコピーあるいは住民票か運転免許証の両面コピー
- 往復航空券のEチケットか予約確認書(必要かどうかは各管轄の駐日代表処HPで確認)
最新情報は中華民国(台湾)外交部HPおよび各管轄の駐日代表処HPを参照。
留学エージェントを通してやれば、滞在先の確保を含め、色んなサポートが受けられます。
手数料は以下のようになっています。
手数料
シングル | 6,800円 |
マルチ | 13,500円 |
お急ぎ追加料金は50%増し。
※手数料は為替変動により調整されます。最新情報は台北駐日経済文化代表処のHPをご覧ください。
パスポートはビザの発行まで代表処に預けられます。
横浜代表処の場合、郵送での受け取り希望する人は自分の宛名を書いたゆうパックを提出するようにとありました。
窓口でで受け取りの場合は引換証を渡されます。
step
6ビザの受け取り
渡された引換証にビザの受取日時が書かれていますので、それ以降なら受け取りに行けます。
申請時に発行された引換証の原本を忘れずに持参しましょう。忘れるともらえません。
2023年4月1日現在、駐日代表処HPにはビザの発行には「5営業日ほどかかる」とあります。
余裕を持って申請しましょう。
停留ビザを180日までに延長するには?
台湾での留学の1学期が終わりに近づき、90日を超えて語学留学を継続したいと思う場合、現地でさらに最大で90日の延長ができます。
延長手続きは、滞在期限が切れる15日前からから申請が可能です。
移民署HPには、以下の条件が挙げられています。
- 申請する3か月前の授業を1/4以上欠席していないこと
通う学校によっては、ホームページに
- 授業態度や出席状況が良好なこと
- 在学中に台湾から1度も、あるいは2週間以上出国していないこと
といった条件を挙げているところもあります。
申請先は、居住地の内政部移民署です。
各移民署の地図は、移民署のホームページで確認できます。
受付時間:月曜~金曜8:00-17:00 (昼休みなし)
本人が直接出向いて申請します(語学留学の場合、代理人は不可)。
必要書類については、学校に尋ねることができます。
必要書類:
- 外国人居(停)留案件申請表(移民署の窓口に置いてある。移民署HPよりダウンロードも可)
- パスポートとコピー1枚(顔写真ページ)
- ビザとコピー1枚
- 学生証
- 在学証明書
- 出席証明書
- 成績表(不要かも)
- 翌学期の学費支払証明書(不要かも)
在学証明書、出席証明書、成績表、翌学期の学費支払証明書は学校に発行してもらいます。
発行に各10~20台湾ドルかかるかと思います。
ビザ延長申請自体の手数料はありません。
※最新情報は移民署HP 外國人停留延期申請須知 でご確認ください。
台湾のマイナンバーの申請に必要なもの:
- 外來人口統一證號申請表(窓口に置いてある。移民署HPよりダウンロードも可)
- パスポートとコピー1枚(顔写真ページ)
- 台湾の電話番号
手数料はかかりません。
残高証明が必要になるので、これで現地で銀行口座を開設しておきます。
180日以上の居留ビザに切り替えるには?
180日(2学期分)滞在した後、延長して3学期以上勉強したい場合、居留ビザ(最長2年)に切り替えることができます。
切り替えには、以下の条件があります。
- 同じ学校で4ヶ月以上学んでおり、さらに翌学期の学費が支払済みであること。
- 授業を1/4以上、欠席していないこと。
申請する本人か代理人が窓口に直接行って申請をします(郵送申請は不可)。
申請期間は、滞在4ヶ月目~停留期限の8営業日前までです。
申請先は、台北にある外交部領事事務局または中部、南部、東部、雲嘉南、高雄の事務所です。
- 台北:臺北市中正區濟南路1段2之2號3~5樓 (ホームページのマップはこちら)
- 中部:臺中市南屯區黎明路2段503號1樓(ホームページのマップはこちら)
- 雲嘉南:嘉義市東區吳鳳北路184號2樓之1(ホームページのマップはこちら)
- 東部:花蓮縣花蓮市中山路371號6樓(ホームページのマップはこちら)
- 南部:高雄市苓雅區政南街6號3~4樓(ホームページのマップはこちら)
- 高雄:高雄市苓雅區政南街6號3~4樓(ホームページのマップはこちら)
受付時間:月曜~金曜8:00-17:00 (昼休みなし)
必要書類:
- 残存期限が6ヶ月以上のパスポート(空白ページが4ページ以上あること)
- ピザ申請書(駐日代表処のHPのビザ申請フォームで記入し、プリントアウトしてパスポートと同じ形式で署名をする。右下バーコードがしっかり印刷されたか要確認。書き方はこちら)
- 6ヶ月以内に撮った証明写真 2枚(3.5cm x4.5cmのパスポートサイズ・背景白。顔の大きさ3.2~3.6センチ)ビザ申請書に貼り付け
- 在学証明書(満4か月が経過したことの証明)
- 出席記録書
- 学習計画書
- 健康診断書(3ヶ月以内に発行されたもの。なので衛生福利部の指定する病院で受ける。受診にはパスポート、停留ビザのコピー、証明写真(3.5cm x4.5cm)、2,500台湾ドルくらい必要)
- 財力証明書(残高が約8万ニュー台湾ドル以上。金額は要確認)
手数料(台湾ドル)
ビザのタイプ | 通常 | お急ぎ手数料(加算) |
シングル | NT$2,200 | NT$1,100 |
マルチ | NT$4,400 | NT$2,200 |
※手数料は2022年10月1日時点のものです。最新情報は外交部領事事務局HPを参照。
申請者の保証人(台湾人)が必要な場合があります。
居留証をもらう
居留ビザに切り替えてから15日以内に申請します。
申請先は、居住地の内政部移民署です。
各移民署の地図は、移民署のホームページで確認できます。
受付時間:月曜~金曜8:00-17:00 (昼休みなし)
必要書類:
- 外国人居(停)留案件申請表(移民署の窓口に置いてある。移民署HPよりダウンロードも可)
- パスポート
- 6ヶ月以内に撮った証明写真 2枚(3.5cm x4.5cmのパスポートサイズ・背景白。顔の大きさ3.2~3.6センチ)
- 居留ビザ
- 在学証明書
- 出席記録書
申請費用は台湾ドル1,000元です。
居留証を取得してから 6 か月以上、台湾に滞在し続けることで、健康保険にも加入できます。
その期間中、30日未満の出国を1回だけなら認められますが、滞在日数にはカウントされません。
まとめ
停留ビザを延長する際の流れをまとめると、以下のようになります。
簡単な流れ
- 日本で停留ビザを取得し台湾へ
- 延長申請する(滞在期限が切れる15日前から)
- 居留ビザに切り替え(滞在4ヶ月目~停留期限の8営業日前まで)
- 居留証を申請