打狗 (ダーゴウ) 英國領事館文化園區は、 1879年8月に英国政府によって建設された、山頂の旧英国領事官邸とその下の領事館及びその両者を結ぶ200メートルの登山古道からなる台湾で現存する最古の西洋近代建築群です。
1895年、下関条約により台湾が日本に割譲されると、 領事官邸は洋観測所、領事館は水産試験場として使用されるようになりました。
後の1987年4月17日には、中華民国内政部によって打狗領事官邸の建築物が二級古蹟に指定され、 2013年11月12日に修復を経て一般公開されました。
山と海が交わった場所にあるため、高雄市街や旗津漁港、西子湾の素晴らしい景色を眺めることができます。
美しい領事官邸の赤レンガの建物のある山頂からのステキな景色に加え、英国式のアフタヌーンティーで優雅なひと時も楽しめるため、デートスポットとしても人気があります。
西子湾の夕日も有名ですが、 山頂にあるこの領事官邸からの夕日は更に美しく、夜になるとロマンチックにライトアップされた領事官邸ときれいな夜景を堪能できます。
私は1月17日の午後3時にここに来て、1時間ほど滞在しました。
その時の様子をちょっと紹介したいと思います。
入園料&開園時間
国立中山大学から近い領事官邸側からも入園できますが、
今回私は、旗津フェリー乗り場から徒歩6分の領事館側から入園しました。
入園料
入口で入場券を購入します。
入園料:
全票(一般):99元
優待票(子供&シニア)1歳~6歳未満及び65歳以上:39元 ※パスポートを提示
1歳未満及び障碍者とその付き添い1人は無料
この入場券には、買い物で使える30元割引券が付いています。
開園時間
平日・土日祝ともに9:00~19:00(入園は18:30まで)
2020年の休園日は以下の通り。
3/16、4/13、5/11、6/15、9/14、
10/12、11/16、12/14
領事館エリア
旧領事館前には、ろう人形があって、当時の領事館の様子が分かるようになっています。
このろう人形の1人1人のもっとリアルな写真が旧英国領事館公式サイトに掲載されています。
旧領事館の中はお土産屋さんになっていて、イギリスにちなんだ商品が販売されています。
紅茶やハーブが多かったです。
きれいなティーカップセットも売っています。
値段は1千元台から1万元以上するものまで陳列されていました。
ティールームもあり、イギリス式のアフタヌーンティーを楽しめます。
領事館の裏側には、こんな人形が。
この場面についての説明文:
日本語ですと、こんな事が書いてあります。
「医療によるキリスト教の布教は、西洋人が台湾で行った主な宣教方法だった。台湾に初めて足を踏み入れたイギリス宣教師のジェームズ・L・マクスウェル(James.L.Maxwell)は、1865年5月28日に 打狗(現在の高雄)に上陸し、英国長老教会で初の在台宣教師となった。
後に、マクスウェルは台南にある清王朝の行政機関が置かれた台湾府城の西門外の通りに診療所と教会を建てた。
しかし、現地で彼が漢人を殺して脳みそを取っているというあらぬうわさが広がって民衆に混乱が引き起こったため、役人はその地を離れるようにとの命令を下した。
そのためマクスウェルは打狗の旗後(旗津区)に戻り、1866年に礼拝堂と台湾初となる近代式病院である旗後診療所を建てた。
当時、目の病とマラリアは台湾南部で最もやっかいな病気であり、マクスウェル医師の診療対象は眼科関連の病気が最も多かった。
布教が目的であったため、こういった診療は公共の場所で行われ、治療が神の業として家族や道行く人たちに公開された。
傍らで見守る家族は、これまで西洋医学での治療を見たことがないためすっかり緊張しきっており、ある者は神に祈りつつ、もし本当にこれで病が治るならこの西洋の神を信奉するべきかもしれないと考えた。」
私も、当時の野次馬の1人になって記念写真を1枚撮りました。
西洋の医療という物珍しいものを見る当時の民衆の気持ちを、ちょっとだけ想像できたように思います。
登山古道
領事館の裏には領事館邸へと繋がる登山古道があります。
200メートルあるそうです。
この登山古道の傍らにある林に野生のサルがいました。
係りの人に聞いたところ、本当の野生ザルだそうです。
近づくと危険ですので、見かけたら気をつけてください。
領事館邸エリア
登りきると旧領事館邸が見えました。
下の人形で見た領事やその家族が暮らしていたんでしょうか。
赤レンガの絵になるきていな建物です。
港を隔てて遠くに高雄市街を眺めることができます。
ベンチがあるので、座りながらゆっくりときれいな景色を楽しめます。
こことは反対側の北側からも、こんなきれいな景色が。
領事館邸の中には、今度はこんな場面の人形が置かれていました。
英国側と清朝側の決裂した話し合いの場面です。
隣の部屋は資料館になっていて、この地区の歴史に思いをはせました。
昔の旗津の様子。
領事館邸の裏には喫茶店があります。
アフタヌーンティーで優雅なひととき
下の領事館と上の領事館邸でアフタヌーンティーを楽しめます。
こちらで人気なのは、領事夫人英式アフタヌーンティー2人セット(630元)です。
他にもミルクティー、コーヒー、ハーブティー、 フルーツアイスティーなんかがあります。
詳しいメニュー内容については、打狗英国領事館HPで確認してください。
ここでは「領事套餐(領事セット)590元」というものもあって食事もできます。
ティールームの営業時間:9:00-19:00(定休日:每月第三月曜日)
アクセス
徒歩でのアクセス(MRT西子湾駅から13分)
私はMRTから徒歩で先に旧英国領事館に行き、それからまた徒歩で戻って鼓山フェリー乗り場でフェリーに乗って旗津半島に行きました。
バスでのアクセス(乗車時間は約5分)
- MRT西子湾駅の出入口2より出て、バス停「捷運西子灣站」からバス路線「99」または「橘1」に乗り、 バス停「西子灣站」で下車(乗車時間は約5分)。
- あるいは、打狗鐵道故事館から「哈瑪星文化公車(バス)」に乗車、「英國領事館官邸」で下車(乗車時間は約11分)。
「橘1A」 「橘1B」「99」の走る路線:
「99」路線の情報:
「橘1」路線の情報:
※「橘1」 は橘1A、橘1B、橘1Cの3つの路線があります。
※橘1Aと橘1Bは行きは同じ路線で、戻りは1Bが1駅多いですが、両方ともMRT西子湾駅に戻ります。1Bは土日祝のみの運行。
※橘1Cは路線が長く、領事館邸を過ぎてさらに北の中山大学キャンバス方面まで運行。
→バス路線「橘1」の時刻表 (東南汽車客運HP)
→バス路線「橘1A」の現在の運行状況 (高雄市公車動態資訊HP。以下同様。)
バス停「西子灣站」の様子
下のバス停「西子灣站」で降ります。
打狗鐵道故事館発の「哈瑪星文化公車(バス)」 時刻表
まとめ
西子湾エリアは、けっこう観光スポットがあります。
この旧英国領事館でお茶を楽しみながらゆっくりとするのもいいですね。
「ゆっくりすると全部周れない」と思うかもしれませんが、
周りきれなかった観光スポットは、別の日に来るとか、また次の旅行の楽しみに取っておくっていうのもいいと思います。
ここに来たら、時間を気にせずにリラックスして、きれいな景色を眺めながら友だちとおしゃべりしたり、美味しいお茶を楽しんだりするのもいいな~と思いました。
今度来た時には、夕日を見に来たいなと思います。
皆さんも高雄に来たら、ぜひ訪れてみてください。