高雄のおすすめ観光スポット|高雄鉄道博物館(打狗鉄道故事館)

高雄鉄道博物館(打狗鉄道故事館) は、もともと日本統治時代の高雄港駅のあった旧駅舎で、MRTの西子湾駅およびLRTの哈瑪星駅に隣接しています。

この鉄道博物館について紹介します。

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打狗(高雄)駅の歴史

日本統治時代の1900年11月28日に、台湾総督府鉄道は台湾縦貫線の一区間として台南~高雄間の鉄道を開通させました。

1899年に着工したこの台湾縦貫線自体は、南北各両方向から鉄道工事が行われ、最後に台中で南北の鉄道が連結され、1908年10月に全線の開通式が執り行われました。

当時、この旧高雄港駅は、「打狗停車場」と呼ばれていました。

この鉄道開通に伴い、台湾南部で盛んだった製糖事業によって大量の貨物が鉄道より港へと運ばれるようになり、1901年当時は人口がたったの3,720人しかいなかった高雄に繁栄期をもたらしました。

1900年11月28日 台南~高雄間の鉄道開通式

高雄鉄道博物館

早朝7:30に参列者たちを乗せた汽車が台南を出発し、9時20分に高雄停車場に到着。

午前11時より兒玉源太郎台湾総督を始めとする1千人ほどの参列者により開通式及び演劇・餅投げなどの余興が行われました。

この鉄道開通によって、高雄は漁村から港町へと発展していきます。

1904年、台湾総督府はこの打狗駐車場の南西に海を埋め立てて新たな鉄道駅の建設することを決定し、こうして1908年、そこから南へ約800メートル離れた場所に新しい打狗停車場(後に高雄駅と改名)が完成しました。

1920年に「打狗」という地名は、Takaoという発音に合わせて日本語の「高雄」に改められました

1920年代末の高雄市街:

当時の高雄市は、港の拡張と日本政府の南進政策の下、工業及び軍事的な役割を担うようになります。

1930年代初頭の高雄駅:

新たな都市計画に合わせて高雄駅は1941年に大港庄に移設され、これまでの駅は「高雄港駅」と改称されて専ら貨物の運送業務に使用されるようになりました。

これが現在、駅舎が展示室となっている焼失前の旧高雄港駅です。

戦前、台湾で生産が盛んだったバナナが鉄道で高雄港に運ばれ、船で日本の内地に運輸されていました(下の写真は、高雄港で船積みされるバナナ)。

戦時中、この高雄駅も米軍のB-24爆撃機の空襲に遭い、扇形車庫が半分ほど破壊されてしまったとあります。

この高雄大空襲で焼失した後、戦後の1947年に再建されたのが現在、展示室となっている駅舎です。

高雄港に停泊していた船も数多く沈没したようです。

港内で沈没した船の位置を示す地図が展示されています。

戦後も鉄道は使用され続けました。

2008年になると、鉄道自体が廃止されました。

それから2010年10月に、駅舎は旧打狗駅故事館として開設されました。

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扇形車庫の跡地に展示のSLとレール

MRTの西子湾駅から地上に出てすぐのところが、鉄道の扇形車庫の跡地を利用した広い公園になっています。

この公園の一画に、日本統治時代のSLや客車が昔のままの姿で、プラットフォームやレールと一緒にそのまま展示されています。

屋外に展示されている蒸気機関車は、CT259型とDT609型で台湾で最も代表的だった2種です。

下の写真のCT259型は日本のC55型にあたり、 1938年に三菱重工業によって製造されたものです。

戦後、台湾鉄道によって改称され、CT259型と呼ばれるようになりました。

急行の旅客列車の牽引に使用されていました。

モノレールとのコンストラクトが面白いです。

そして下の写真がDT609型です。日本の9600型にあたります。

最高速度は65km/hです。

外観は、イギリス式の蒸気機関車の風格を踏襲しています。

1929年に製造されたこの機関車は大正時代(1920年代)の名機で、貨物列車の牽引にあたりました。

下のような貨物車を牽引していました。

この貨物車牽引用の蒸気機関車は、日本では1975年まで、台湾では1982年まで運行されていました。

台湾で現存するDT609型は、ここにある1台のみです。

かつては駅舎だった建物が今は展示室に

高雄港駅の木造建築の駅舎は昔のまま、駅長室や事務室が保存されています。

昔の高雄駅を忠実に再現しており、 日本が敷設した台湾鉄道が当時の面影が残る形で保存と展示がされています。

日本の明治、大正時代の駅舎と変わらない駅の事務室は懐かしさを感じさせます。

事務室には、昔ここで使われていた書類が展示されています。

こんな棚に書類を整理して管理していたそうです。

駅長室も見ることができます。

下は、日本統治時代の駅長が付けていた腕章です。

「車掌」と書かれています。

昔の車掌さんの制服も再現されています。

こちらはSLの操作盤みたいです。

過去の貴重な歴史資料が保存されています。

最後に事務室の方に戻って記念スタンプを押しました。

ボランティアの方が作ってくださったポストカードが置いてありました。

あまり上手に押せませんでしたが、記念になりました。

ポストカード作成のボランティア活動に寄付することもできます。

高尾MRT西子湾駅の2出入口を出てすぐ前にありますので、立ち寄って見て下さい。

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