こんなことに遭遇すると、歯はもちろん治療費のことも心配になって、頭が痛いです。
「海外で高い治療費を請求された!」なんて話は、よく耳にします。
例えば、ニューヨークだと「歯一本の治療につき約千ドル(1ドル130円なら13万円)かかる」と言われています(在ニューヨーク総領事館HPより)。
ケガで歯を負傷した場合、普通のエポスカードの1事故の限度額は200万円、ゴールドカードは300万円です。
治療費が高い国だと、海外保険が使えるかどうかはかなり重要な問題ですね。
結論から言うと、基本的に「偶然のケガ」でないと保険は使えません。
ここでは、海外の歯医者でエポスカードの海外旅行保険が適用される条件について解説します。
また、適用されない場合の対処方法についても取り上げます。
この記事を読むと、海外旅行や留学などを安心して楽しむためにどんな備えができるかが分かります。
\90日間の海外旅行保険 /
歯の痛みに海外保険は適用されない!?
エポスカードの 海外旅行傷害保険ご利用のしおり には、保険金が支払われない主な事例として、以下のものが挙げられています。
「虫歯」「歯槽膿漏」等の歯科疾病
残念ながらこういった理由による歯の痛みは、エポスを含めクレジットカードの海外保険は使えないのが普通です。
なぜなら、クレカの海外保険は「旅行中に発病した病気」やケガによる治療費や入院費が補償の対象だからです。
この種の歯の痛みは、旅行前に発生している慢性的な「持病」と同様の扱いで、補償すべき病気には該当しないとされています。
海外で急に歯が痛くなったとしても、そもそも虫歯や歯槽膿漏は急性ではなく、慢性的な(ゆっくりと症状に至る)病気です。
「慢性的な病気」である以上、海外で緊急に治療を要するものではなく、日本に帰国してからでも治療が可能だという訳です。
言い換えると、「そもそも慢性的な病気なのだから、普段から定期的にお医者さんに診てもらうなどしてケアしておくべき性質のものだ」ということです。
こうした理由から、歯科疾病にクレカの海外保険は使えないことになっています。
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参考台湾の歯医者さんに思い切って無保険で行ってみた結果
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なので、ちょっと長く海外に行くことを予定している場合は特に、事前に歯の定期健診に行っておくことをおすすめします。
エポスの海外保険が歯医者で使えない場合
「保険会社の海外保険に加入してなかったし、虫歯だからエポスの海外保険も使えないよ・・・」
こんな場合は、加入している健康保険の利用を検討することができます。
自治体の国民健康保険
学生や自営業の方で住民票を抜いてさえなければ、自分が住所を置いている市町村の国民健康保険を利用することができます。
各自治体HPで「海外療養費」の請求方法が説明されていると思います。
帰国後に請求することで、3割の自己負担分を除いて支給されます。
支給の対象は、日本国内で保険適用になっている治療のみです。
申請に必要な様式の「診療内容明細書」、「領収明細書」は自治体HPからダウンロードして印刷し、現地の医師に記入してもらいましょう。詳しくは、各自治体HPをご確認ください。
支給額は日本国内の医療機関で、同じ傷病を治療した場合にかかる治療費を基準に計算されます。
そのため、実際に払った額よりかなり少なくなる可能性があります。
例えば、ニューヨークでは歯1本13万円かかる治療でも、日本なら2万円で済む場合はどうでしょうか?
そうすると、3割除いて1万4千円くらいしか支給されないことになります。かなり痛い出費です。
健康保険(健保)
サラリーマンの方は、会社で払っている「健康保険(健保)」を利用できます。
これには、下の2種類あります。
- 中小企業は「協会けんぽ」
- 大企業や関連会社は「組合健保」
ご自分がどちらか分からない方は、保険証に書かれていますのでご確認ください。
「協会けんぽ」は、全国健康保険協会の略称です。
全国健康保険協会HP で海外療養費の請求方法をご確認ください。
「組合健保」は、企業が自前で健康保険を設立した団体です。
企業ごとの健康保険組合HPなどで請求方法をご確認ください。
ケガで歯医者に行く場合、保険が使える可能性あり
痛いよー!
保険は使えるの?
「疾病」ではなく「ケガ」扱いで歯医者に行く場合、エポスの海外旅行保険が使える可能性があります。
エポスの公式サイトによると、ケガとは「急激かつ偶然な外来の事故により身体に被った傷害」のことです。
- 食事をしていて差し歯が抜けた
- 硬いものを食べて詰め物が取れた
- 転倒して歯が折れた
などは偶然の事故のため、適用される可能性があります。
しかし、海外旅行傷害保険ご利用のしおり PDF によると、以下のような場合は適用されません。
- ケンカ
- 無資格での運転によるケガ
- 山岳登はん、ハンググライダーなどの危険な運動
- 競技・競争・興行やその練習、試運転
故意に危ないことをやった結果、起きるべくして起きた事故だと使えません。
わからないなら問い合わせてみる
事前にエポスカード海外旅行保険事故受付センターにに事故の連絡をしないと、キャッシュレス・メディカルサービス※は受けられません。
※キャッシュレス・メディカルサービス:自己負担することなく治療を受けられる医師、医療施設の紹介してくれるサービスのこと。
治療の緊急性にもよりますが、できれば治療を受ける前に滞在先(国・地域別)の連絡先電話番号に連絡しましょう。
状況により事前に連絡できなかった場合は、まず自己負担で支払い、帰国後に請求する形になります。
この場合は事故の発生から30日以内に発生の状況や障害の程度について連絡しておく必要があります。
電話する前に準備するもの
- エポスカード会員番号と有効期限
- 滞在先(ホテル名)または現地の滞在先住所
- 日本国内の連絡先住所・電話番号
- 日本からの出国日と帰国予定日
- 出国スタンプが押されたパスポート※
※出国スタンプがなければ出国日が証明できる航空券の半券か、電子チケットまたは電子的に保持されている領収書データ
すぐにエポスの会員資格や治療が補償対象に該当するかどうかの確認を行ってくれます。
補償対象と認められると、以下のような「緊急医療アシスタンスサービス」を手配してもらえます。
- 医師、医療施設の紹介、案内
- キャッシュレスサービス
- 通訳の紹介・手配
キャッシュレスサービスを受けられる医師や病院が近くにないなどの理由で、まずは自己負担で治療する形にする場合、補償金の請求に必要な書類について尋ねましょう。
キャッシュレスサービスを利用する場合でも、自費で立て替えた治療費、交通費・宿泊代などの費用については請求できます。
現地でしか手配できない必要書類には、以下のようなものがあります。
現地で手配すべき書類
- 医師の診断書(治療費が10万円以下は省略可)
- 医療費の明細書または領収書
- 事故証明書(場合により必要)
下は診断書を書いてもらうためにかかった費用の領収書です。こちらも請求できます。
下は歯医者さんの領収書です。
現地でもらうのを忘れないようにしてください。
帰国後に請求する方法については、以下の記事をご覧ください。
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エポスカードの海外旅行保険を使ってみた 3/3|帰国後の請求方法
続きを見る
ちなみに現地での払い戻しを請求する場合は、現地の銀行口座が必要になります。
まとめ
海外で歯のトラブルに巻き込まれないために、出国前の歯のケアは大事です。
エポスといったクレジットカードの海外旅行保険が使えない場合、健康保険では自己負担分が多額になる可能性があります。
- 海外でリスクのあるアクティビティに参加する
- 長期で海外に出かける予定で住民票を抜いていく
- 医療費の高い国へ行く
こんな場合は保険会社の海外保険への加入を検討しましょう。
海外でトラブルが起きてからでは間に合いません。
エポスカードは早めに作って、補償額がより高い無料のゴールドカードを手に入れておきましょう。
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参考【エポスカードの海外旅行保険】善は急げ!?事前に無料でゴールドにしとけばお得で安心!!
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安心して海外へ行くために
- 歯のケアはきちんとして出かける
- 危険なアクティビティは避ける
- 保険会社の海外保険に加入する
- エポスカードを持って出かける