10月6日、台湾の立法院(国会)外交・国防委員会、財政委員会の合同審査会は、約2,400億台湾ドル(約9,600億円)に上る海空軍強化のための特別予算案を審議しました。
邱国正国防部長(国防相)は審議前にメディアの取材に応じ、
「国軍の海空軍力を向上させるため、戦力として役立ち、直ぐに製造が可能なものが優先される。そのため、経費の多くは雄風ミサイルの研究・製造に回されることになる」
と語りました。
国防部(国防省)の報告書では、中国共産党(中国)が台湾侵攻能力を増強させていることを受け、64%の軍事予算を国産の対艦用の軍備費に振り分けるとあります。
そのうち、最も大きな割合を占めるのは対艦雄風II型・Ⅲ型ミサイルの34%、総額797億元(約3,188億円)となっています。
報告書ではまた、中国共産党(中国)は2025年以降、接近阻止・領域拒否(A2/AD)および台湾海峡周辺の封鎖能力を完備するとの予測がなされており、特に075型強襲揚陸艦を使用した迅速な陸海空軍共同の侵攻能力の高まりは、台湾の防衛作戦における重大な挑戦となっていると述べられています。
邱国正国防部長(国防相)は この立法院(国会)の審査での質疑の中で、
「海外メディアは、台湾は世界中で最も危険な地域だと報道しているが同意するか?」
との質問に対し、こう答えました。
現在的兩岸情勢是我從軍40年來最嚴峻的時刻,而中共目前具備犯台能力,但必須要看付出多大成本,因此種種考量後,2025年成本將降低,並具全能力。
(私が40年前にこの道に入って以来、目下の情勢は最も緊張している。中国共産党(中国)は既に台湾への侵攻能力を備えているが、中国側は侵攻に伴って高いリスクを被ることになる。だが、中国は2025年にはリスクを一層低下させ、台湾を侵攻する完全な能力を備えると考えられる。)
と語りました。
バイデン米大統領は5日、中国の習近平国家主席との協議で''台湾に関する合意''の順守で一致したと明らかにしました。
バイデン氏は米国の「1つの中国政策」と「台湾関係法」に言及したと思われると報道されています。
邱国正氏はこれについて、
「国防部(国防省)がすべきなのはただ軍備を整えることだ。政治は政治で別の話であり、もし戦うことになれば国軍は最前線に立ち、戦争への備えをすることになる」と語りました。
冒頭の写真: 台湾の立法院(国会) の前にメディアの取材に応じる邱国正国防部長(国防相) 台湾ヤフー新聞より引用