この記事の内容は今年の4月のものですが、とても印象的で心温まるものだったので今更ですがご紹介したいと思います。
すべての国民にマスクが行き渡るようにするため、台湾では3月12日よりマスク購入の実名制が採用されました。
4月の時点において、各国民は14日ごとに健保卡(日本の健康保険証に相当)の提示により、大人は大人用マスク9枚・児童は子供用マスク10枚を購入できました。
台湾では、白ではなく色々なカラフルな色のマスクが製造されています。
これら様々な色のマスクは、ランダムに各販売拠点に配送されるため、購入者はマスクの色までは指定することができません。
そのため、男性・男の子でも薬局で受け取ったマスクが「ピンクだった!」なんてこともあるんです。
4月12日の記者会見である記者が、
「ある親御さんから、『うちの子は男の子なんですけど、登校の時、ピンクのマスクは恥ずかしいから着けたくない!って言って困っている』という声が上がっていますが、何か対策はありませんか?」
との質問がありました。
陳時中氏は記者に対し、
「我々も困っている」と述べ、理解を求めました。
ちょうど日本でマスク不足が騒がれていた時期です。
これについて台湾のある医師は、
「マスクが手に入るだけでも十分ましなのではないか?それなのに色や模様、メーカーまでも指定するつもりか?」
と語っています。
翌日の記者会見の際、指揮官の陳時中氏、副指揮官の陳宗彥氏、専門家諮問委員会・招集者の張上淳氏、疾病監測組組長の周志浩氏、スポークスマンの莊人祥氏ら5人のメンバー全員が何と、ピンクのマスクを付けて登場しました。

陳時中氏はこう語りました。
「今日、私たちが全員、ピンクのマスクを着けているのにお気づきのことと思います。
昨日、『男の子がピンクのマスクを着けて登校するとみんなにとやかく言われるので着けるのを嫌がる』との声があったので、
男もピンクを着けてもいいんだよ、って知ってほしくて、今日は全員でピンクのマスクを着けて来ました。」

それから、そんな男の子たちに向けて、こんなことも話しました。
「みんな知らないかも知れないけど、僕の小っちゃかった頃は、「粉紅豹(ピンクパンサー:アメリカのアニメ)」が流行ってて、実は『ピンク』って、大人気の色だったんだよ!」
日本でマスクの高額販売が騒がれている最中、台湾でこんなニュースを聞いて、ホント心温まる思いがしたのを思い出します。