最近(2021年9月時点)、中国の各地で電力不足による停電が相次いでいます。
中央政府から課されたエネルギー消費量の削減目標を達成しようと地方政府が節電を急いでいるためとされています。その背景には石炭価格の高騰があります。
特に大きな影響を受けているのが台湾企業が集まっている江蘇省・昆山市だと報道されています。
9月25日の晩、昆山市は市内の企業に対し、9月30日まで稼働を中止するようにと通達したとのことです。
台湾では2017年8月、そして今年の2021年5月13日に大規模な停電が発生しましたが、その都度、台湾の商工業界のリーダーたちは政府に対して厳しい批判の声を上げています。
ですが今回、中国で事前に何の予告もなしに節電政策による生産停止を余儀なくされたにもかかわらず、現地の台湾企業はみな口を閉ざし抗議の声を上げようという者は一人もいません。
それで、こんなニュースの見出しが出てきました。
台商也是專挑軟柿子吃
táishāng yě shì zhuān tiǎo ruǎnshìzǐ chī
台商 :台湾の商人
軟柿子:柔らかい柿
專 :専ら
「柿子要挑軟的吃」(柿は柔らかいものを選んで食え)
shìzi yào tiǎo ruǎn de chī
という言い方があります。「柿は柔らかいのが美味しい」という意味です。
それで、これをそのまま訳すと、
「台湾の商人も柔らかい柿だけを選んで食べる」
となります。
これは比喩的な言い方で、
態度が硬い柿のように強い人は避けて、柔らかい柿みたいな弱そうな人を選んでいじめる
という意味です。
企業は何かあると台湾ではすぐ声高に政府を批判するくせに、中国では何があっても押し黙って我慢する。
まさに「專挑軟柿子吃」っていうわけです。