「你好(ニーハオ)」は、だれもが知っている中国語の挨拶です 。
中国や台湾では、相手や時間帯によって「你好」以外にも色々な挨拶を使い分けます。
ここでは、
ポイント
- どんな時に使う・使わないか?
- 使わない時はどう挨拶する?
について取り上げます。
カタカナでの読み方・ピンイン・発音の録音もありますので、参考にしてみてください。
你好(ニイハオ)に含まれる意味とは?
最初に「你好」の大まかな概念を理解し、使う時や場面について想像してみましょう。
你好の「你」と「好」はそれぞれ、
你=あなた
好=良い
と言う意味です。
もともとは「你好嗎?(ご機嫌いかかですか?)」と言う問いかけが挨拶語として省略され、定着したものだそうです。
なので、早朝でも夜中でも、時を選ばず挨拶として使える便利な言葉なんです。
同時に丁寧な挨拶語でもあります。親しい間柄では使いません。
また、元々は問いかけのこの挨拶は、用事で見知らぬ方に声をかける際に「ちょっといいですか?」といったニュアンスでも使われます。
日本語にすると、場面によって以下のような意味に変化します。
「你好」の様々なニュアンス:
- 「おはようございます」
- 「こんにちは」
- 「こんばんは」
- 「初めまして」
- 「よろしくお願いします」
- 「あの~、すみません(店員さんに声をかける時や人に道を尋ねる時など)」
- 「ご注文お伺いします(店員さんがお客さんに声をかける時)」
- 「ちょっと後ろ失礼!(相手に自分の存在を知らせる目的で使う)」
你好(ニイハオ)は、初対面やフォーマルな場面でいつでも使える
実は「你好」は、ややかしこまった挨拶なんです。
初対面や顔なじみでない人に、
「初めまして!」とか「よろしくお願いします!」
といったニュアンスで使われます。
顔なじみでない中国&台湾の人にお会いした時には、元気良く「你好!」と挨拶しましょう。
向こうから先に、「你好!」と挨拶してくれたら、同じように「你好!」と挨拶して返事します。
你好(こんにちは)
ニーハオ
ちなみに、中国語講座で習う「初次見面(初めまして!)」は、かなりかしこまった表現で、中国&台湾では、ほぼ聞かれません。
年配の方や目上の人には、您好(ニンハオ)!
相手が年配の方や目上の人、敬意を示すべき人(顧客・先生など)や外国人などの場合は、
您好(こんにちは)
ニンハオ
という挨拶が使われます。
日本語で言うと、「您好」は「~さん」を「~様」にしたような丁寧な言い方です。
メールや手紙といった書面上では、よく使われます。
企業がクライアントにメールする際も、こちらを使います。
職場では、同じ社内でも、立場が自分よりもずっと上の方に対しては「您好」を使います。
ただ、丁寧な分、相手との距離をグッと感じさせる言い方ともなり得るので、少し親しくなったら、
「你好」
を使うようにしましょう。
相手の肩書きや名前を知っている場合
もし、相手の苗字や職業上の肩書きを知っているなら、それを使って挨拶するのが礼儀です。
例えば、相手が王さん(男性)なら、
王先生,你好(王さん、こんにちは)
ワン・シェンシャン,ニーハオ
相手が王さん(年配以外の特に未婚女性)なら、
王小姐,你好(王さん、こんにちは)
ワン・シャオジエ,ニーハオ!
となります。
また、「你」を省略して
王 先生 好!
ワン・シェンシャン・ハオ!
と言ったりもします。
相手の職務上の肩書きを使って挨拶をしたりもします。
例えば、学校の先生に対しては、
老師好(先生、こんにちは)
ラオシー・ハオ
知っていれば、相手の名前を入れて挨拶します。
王老師好(王先生、こんにちは)
ワン・ラオシー・ハオ!
といった具合です。
友人や知り合いには使わない
上で取り上げた通り、友人や知り合いに「你好」を使うと、距離を感じさせるよそよそしい感じになってしまいます。
日本では、「親しい仲にも礼儀あり」で、相手と一定の距離を置く習慣がありますが、中国&台湾では、知り合い同士で距離を置くのは逆に失礼と見なされます。
友人・知り合い・同僚同士の場合は、
嗨(ハァイ!)
哈喽(ハロー!)
※台湾・繁体字は「哈嘍!」と書きます
と軽く挨拶をします。
お客さん・クライアントでも、馴染みのある相手ならこっちの挨拶を使います。
台湾|早安・午安・晩安
台湾では、「你好!」よりも、早安・午安・晩安が日常的に使われます。
早安(おはようございます)
ザオアン
午安(こんにちは)
ウーアン
晩安(こんばんは)
ワンアン
※中国で「晩安!」は、「お休みなさい!」という意味で使われます。
中国&台湾|親しい者同士、朝の挨拶は「早!」
初対面の人や年上の人、上司に対して、
中国では、ややかしこまった
早上好(おはようございます)
ザオシャン・ハオ
という挨拶をします。使用頻度は少ないです。台湾では使いません。
中国では、相手の職業上の肩書きを使って挨拶もします。
例えば、会社の部長さんには、
老师早(先生、おはようございます)
ラオシー・ザオ
李部长早(李部長、おはようございます)
リー・ブゥジャン・ザオ
台湾では日常的に、
早安(おはようございます)
ザオアン
と挨拶します。中国では使いません。
朝、家族や知り合い、職場の同僚など親しい者同士で挨拶する時、中国&台湾では、
早(おはよう!)
ザオ
とあいさつします。日常的に良く使われています。
中国では、次のような言い方もあります。
早啊(おっはよー)
ザオア
知り合い同士は、決まり文句が挨拶代わりに
中国&台湾では、日本ほど挨拶が重視されておらず、挨拶抜きで会話が始まったりします。
また、会話を始めるきっかけとして、日常的な決まり文句を使ったりもします。
例えば、中国では外で知り合いとバッタリ出くわした際、
你出去吗?(お出かけですか?)
ニー・チュチィ・マ
上班吗?(お仕事ですか?)
シャンバン・マ
下班吗?(今お帰りですか?)
シャーバン・マ
去买菜啊(お買い物ですか?)
チィ・マイツァイ・ア
といった感じで声をかけます。
ご飯の時間帯の前後には、
吃饭了吗?(ご飯済んだ?)
チー・ファン・ラ・マ
という決まり文句を使います。別にご飯に誘おうという訳ではなく、満足にご飯が食べられなかった時代に相手を気遣う言い回しとして定着したものだそうです。
久しぶりに会った時は、
最近怎么样啊(最近どう?)
ズイジン・ゼマヤン・ア
と尋ねて会話が始まります。
まとめ
いかかでしたか?
ちょっと複雑ですが、毎日の挨拶ですので、現地で生活していると習慣的に自然と身についていきます。
ネイティブがいつ・どんな場面で・どんなあいさつするかを聞いて真似てみましょう。
まとめ
- 「你好」は、敬意を示すあいさつだが同時に距離を感じさせる。
- 知り合い同士では、日常的な決まり文句があいさつ代わりになったりする
- 親しい間柄では、「嗨(ハァイ)」や「哈喽(ハロー)」、朝は「早(ザオ)」
- 台湾では「早安(ザオ・アン)」「午安(ウー・アン)」「晩安(ワン・アン)」がよく使われる